一度失ったものは,もう戻ってこない

あの子はきっと泣いているだろうか

あやまりたくても,ごめんねも,

もう届かないくらい遠く…
せめて…いつまでも覚えていようと,

それが唯一できるせめてもの償いだったから

目を閉じれば,いつまでも鮮明に思い出せるようにと…

心の中にずっと思い描く,悲しくないように,

寂しくないように

(でもそれは,きっと自分のためだった)

もう笑ってくれないかもしれない

きっと泣いているあの子に…

もう二度と,笑ってくれないだろうあの子に

触れることも,頭を撫でることもできない・・・
 
僕は怖かった

二度と戻ってこないと知っていたのに・・・

それでも僕は君を…

失ってからしか気付けなかった僕を,

君はいつまでも怒っているだろうか

それとも,もっと違う感情なんだろうか
 

僕がいつかこの世界を離れるとき,

僕が君とまた出逢う唯一のとき,

僕を見た君はなんと言うのかな?

何も言ってはくれないのかな

でもきっと僕は言う,何度でもごめんなさいと…

あのとき失ってから気付いたんだ,愚かな僕は…

僕は君を愛していた,愛していると

さよならの向こうには何か待っているのかな?

でも今は,おやすみなさい
 

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